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飯は黙って喰え [雑感]

以前、ある新聞に「飯は黙って喰え」と題した作家の安部龍太郎さんの寄稿が載っていた。

子供のころに「飯は黙って喰え」と父親から叱られた時代があった。
一家団欒という言葉もあるように食事は楽しく会話しながら食べたほうが楽しいに決まっている。
しかし、コロナ禍に遭遇してみればあれは感染予防の知恵だったのではないかと思い当たったというのだ。

スペイン風邪以来100年ぶりという疫病の大流行を経験し、これまで災害や疫病が人類に与えた影響が時代とともに徐々に生活様式を変えていくことになってきているのではないか。
禅寺の僧を例にとり、食事は無言で食べる。箸を使い手づかみでは食べないなどの対策が長い年月を経て庶民の生活に浸透していった。
それが律儀に守られ雷おやじの「飯は黙って喰え」につながってきているのではないだろうか。

また、扇子の使用にも感染対策に通じるものがあるという。
人と話をするときに扇子を半開きにして口に当てて内緒話のように話すことがある。
これも感染予防の知恵だったのだ。
食事の際はマスクをつけたり外したりするのは面倒だ。
扇子を口に当てて食事すれば不便がない。
大意、こんな内容の記事が紹介されていたのが印象的だった。

今になって”黙食”などという言葉が言われてきている。
子供たちの学校給食風景を見ても誰とも喋らず黙々と食べている。
複数人で酒を飲みながら歓談する、これもNGなのだ。
「飯は黙って喰う」これがこれからの生活様式なのだ。


そんな中、マスク会食などという食事様式が勧められている。
食べ物を口に入れるときはマスクを外し、食べ終わったらマスクをつける。
これを何度も繰り返すのだ。そして決して喋らない。
なんか食べた気がしない。


そこでマスクの代わりに扇子を使う。
時代劇でよく出てくる悪徳商人と悪代官の会話に使われるのがこの扇子だ。
差し出された山吹色のブツが入った菓子折りを見て。
「これ近江屋、おぬしもワルよのう」
「いえいえ、お代官様の足元にも及びませぬ」
bad_daikan.png

もちろん、悪だくみではなく食事や会話に使うのだ。
飛沫感染を防ぐため、扇子を口に当てての食事はちょっとオシャレかもしれない。

(イラストはフリー素材集サイトからお借りしました)

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