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天狗裁き [落語やってます!]

新年あけましておめでとうございます。
昨年中はお世話になりました。
本年もよろしくお願いいたします。


新年早々横浜の某寄席に行ってきました。

席に着いた瞬間嫌な予感が。
わたしの後ろに座った数人のオジサングループがペチャクチャ喋っている。
出囃子が鳴り前座が話し出してもおしゃべりは止まらない。
次に二つ目さんが高座に上がり新作落語を熱演する。
この時点になるとさすがにおしゃべりは止まった。
これで一安心、と思われたが甘かった。
おやじの一人が、ふぁっくしょ~~ン! 大きなクシャミだ。
静かな館内に響き渡るクシャミ。
続いてズルズルずると鼻をかむ音が。

高座の噺家さんは何食わぬ顔で噺を続ける。
暫くすると、今度は居眠りをしだした。このまま寝ていてくれればいいのにイビキをかきだした。
最悪だ。

やがて番組は色物さんのパフォーマンスに変わった。
迫力あるパフォーマンスに観客は圧倒される。
さすがに居眠りオヤジもこの間は見入っていたのか寝ていたのか静かだった。
次に登場したベテラン噺家さん。
まくらを語りだした。
「先ほどの色物さんのような迫力あるパフォーマンスの後に噺家が出てきて、座布団に座ったとたん寝ちゃうお客さんがいる。
寝ているだけではなくいびきをかく人がいる。
いびきだけならいいが寝言を言う人がいる。
寝言だけならいいが寝返りを打つ人がいる。

なぜ寝ちゃうのか聞いたところ『枕があるからだ』」

と、先ほどのいびきおやじを見ていたかのようなまくらの振りだ。
いびきおやじの様子が楽屋にモニターされているのだろうか?
あるいは前座さんが報告しているのだろうか。
そんなまくらから始まった噺が「天狗裁き
この入り方「さすが!」わたしは思わず心の中で拍手を送った。

このあと後ろのいびきおやじが静かになった。
自分のことを言われたようで反省したのか、いびきをかかずに安らかに寝入っているのか、真剣に天狗裁きに聴き入っていたのか、振り返って確かめるわけにもいかない。
ただ、雑音がなくなったおかげでこの後の寄席をたっぷり楽しむことができたのだ。

どんな場面にも対応できるプロの噺家さんの力量を垣間見た一日であった。

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