近未来形カラオケスナック [出来事]
先日のこと、業界の理事会があった。
会議は早々に終わり、恒例の暑気払いとなった。
ワイワイ、ガヤガヤあちこちで雑談がはじまる。
そのうちある人が私に声をかけてきた。
「二次会をやるから来ない?」
いつも私は二次会は遠慮していたが毎回断っていたのでは悪いと思い「行きましょう」と答えた。
二次会の会場はカラオケスナックで、私は初めの店だ。
総勢15名ほどで繰り出した。
「いらっしゃいませ~!」
店内にはママとおぼしき小柄な女性と、もうひとり女性がいた。
このママがどう若く見積もっても80歳以下には見えないのだ。
もうひとりの女性もどっこいどっこいの歳だ。
客の高齢化は分かっているが、経営者がこれだけお歳を召した店は初めてだ。
常連のひとりが私に耳打ちした。
「この店に来るとね、お袋を思い出すんだよ」
「ママの割烹着姿がいいんだなぁ」と、しみじみ言う。
着物をシャンと身につけ白い割烹着を付けたおばあちゃんママ。
そう言われれば自分のお袋にも姿がダブる。
世間ではお年寄り用の乳母車を押している年齢だ。
しかし、このママはしっかりしている。
シャキシャキと動き、客の注文を間違えることもない。
お通しもつまみもフルーツも間隔よく出てくる。
カラオケも客と一緒に唄っている。
驚いた。
この店、ギネスブックに登録申請してもいいのではないか。
機会があったら、ひとりで来てゆっくり割烹着のお袋と語り合いたいものだ。
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