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「三陸海岸大津波」 [雑感]

吉村昭の「三陸海岸大津波」を読んだ。

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明治29年、昭和8年、そして昭和35年に青森、岩手、宮城の三県を襲った大津波。
当時の記録や体験者の証言を元にまとめた一著だ。
大津波の前兆、被害、救援の状況など興味深い内容が詰まっている。
これによると三陸海岸一帯は大津波との闘いの歴史だったことがよく分かる。

明治29年6月午後7時過ぎ弱震を感じた。
揺れは何度か繰り返し、8時2分にまたゆったりと揺れた。
その後、日本最大の津波が三陸海岸一帯を襲った。
津波は何度も来襲し翌16日までに数十回に及んだという。
その高さ15mとも言われているが押し寄せた津波は50mにまで達したとの事実もある。
この時の地震は海底地震だったそうだ。

昭和8年3月3日午前2時32分、三陸地方は強烈な地震に襲われた。
3月といえども気温は氷点下10℃。
眠りを破られ一度は飛び起きたもののほとんどの人々はまた床の中に入ってしまった。
そこに大津波が襲った。
当時の小中学生の作文が紹介されている。
親を失い、兄弟を失ってひとりぼっちになってしまった子。
命からがら奇跡的に助かった子らの貴重な記録集だ。

チリ地震は昭和35年5月23日、南米チリで発生した。
その地震波は翌日になって三陸沿岸を中心に北海道から九州まで津波となって押し寄せた。
三陸沖合は深海なのでチリで発生した波は衰えることなく沿岸に達した。

記録文学者、吉村昭は三陸海岸一帯をこよなく愛していた。
地元の人達とふれあううちに津波の話題がしばしば出る。
作者は三陸海岸と津波は切り離せないことなのだと知り筆を執ったという。


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